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クトゥルフ神話の火の神格「クトゥグア」とは?

Cthugha(クトゥグア)
Cthugha(クトゥグア、douzen様画)

クトゥルフ神話とは、作家H・P・ラブクラフトの死後、友人であるA・ダーレスによって神話としてまとめられたものです。

今回は、そのダーレスによって火の神格として割り当てられた「クトゥグア」と呼ばれる存在について解説します。

なお、クトゥルフ神話について知りたい方はこちらをご覧ください。

クトゥルフ(BenduKiwi, 2006年7月30日)

創られた神話「クトゥルフ神話」とは?概要をご紹介!

旧支配者「クトゥグア」

Cthugha(クトゥグア)
Cthugha(クトゥグア、douzen様画)

這いよる混沌「ナイアーラトテップ」が唯一恐れる存在、それが火の精である「クトゥグア」です。

ナイアーラトテップの地球の棲家である「ン・ガイ」の森を焼き付くすため、人間の召喚に応じて数十光年も離れた「フォーマルハウト」からやってくるほど、ナイアーラトテップを敵視しています。

しかしクトゥグア信者は非常に少なく、その存在を知るものも少ないとされています。

もっともクトゥグアを召喚すると、召喚者や信者ごと辺り一面を焼きつくしてしまうため、生き残るのも大変なことになってしまいます。

また召喚に失敗するとヤマンソという別のものが出てきて、召喚者を捕食してしまうのです。

そのようにクトゥグアを召喚するのは難しいため、それを崇拝する教団も少なくなっているのです。

なお、クトゥグアもヤマンソも同じ火の神格ですが、信者の願いを聞き入れてくれることもあるクトゥグアに対し、人間の抹殺と捕食に生きているのがヤマンソです。

召喚しやすいからと言ってもヤマンソはやめましょう。出てきた瞬間に食われてしまいますよ。

クトゥグアは巨大な生きた火の玉の姿をしており、何千もの火球を従えています。

対してヤマンソは燃える3つの花弁を中心にした炎の輪を形どっています。

大きさもクトゥグアと比べ物にならないほど小さいものですので、見間違うことはありません。

そんな扱いにくいクトゥグアですが、なぜか色々な、特に最近のゲームやアニメ作品によく登場しています。

ただ燃やすだけの存在なのに、なぜでしょう。

ダーレス神話の人気者

這いよる混沌
這いよる混沌、ニャルラトホテプ(douzen様画)

クトゥグアの天敵、ナイアルラトテップは四神格の中で唯一封印されていないため、自由な姿で地球の至るところに現れます。

また人間と関わりを持つことも多く、気に入った人間であれば星間宇宙へ連れだしてしまうこともあります。(無事に帰してくれるという保証はありません)

そんな自由のためか、ナイアーラトテップは非常に人気の高い「外なる神(Outer God)」です。

クトゥグアはその人気者の唯一の天敵であるため、ナイアーラトテップのライバルとして人気を集めています。(ハスターも敵対していますが、天敵扱いはされていません)

「自分を召喚した信者ごと燃やしてしまうドジっ子」として扱う人もいるそうですが……。

また多くの眷属を従えた火の神格とあって、強いものというイメージがあります。

小説内ではただの火の玉としか描写されていないのですが、海外のファンアートではドラゴンのような身体を持っていたり、タコのような触腕を持った姿に描かれています。

この辺りでも小説からかけ離れたものとなっていますが、日本にくるともっと拍車がかかります。

日本のニトロプラスから発売されたロボット物のゲーム「デモンベイン」では、ハスターの眷属「イタクァ」と対になる銃の化身として描かれています。

銃の姿となった時は大型の自動拳銃となり、火属性を持った高威力の攻撃を行う頼もしい武器となってくれます。

日本だけでなく世界にまで衝撃を与えた「這いよれ!ニャル子さん」においては、主人公のニャル子を病的に愛するツインテールの美少女になっています。

こちらは、オリジナルの「クトゥグア星人の一個体」という設定を持っています。

ここまでくると小説とは関係のない別物と言ったほうが良いのかもしれませんね。

ただクトゥグアはラブクラフトが考えたものではなく、ダーレスが後から作り出し、リン・カーターが「アフーム=ザー」や配下の存在を創作、その地位を確立させました。

そのため、ラブクラフト好きの人にとっては少々面倒な存在だったりするのです。

クトゥグアは取り扱いが難しい存在

前述の通りクトゥグアはラブクラフトの創作ではなく、ダーレスがクトゥルフ神話に四属性の設定を持ち込んだ際に、火に該当させるものがなかったため創りだしたものです。

地のナイアーラトテップ、水のクトゥルフ、風のハスター、火のクトゥグアで四神格となります。

クトゥグアはナイアーラトテップと、ハスターはナイアーラトテップとクトゥルフ、それぞれで敵対関係になっています。

クトゥグアとハスターの間には特に何もありません。

この敵対関係もダーレスによる設定です。

そしてこのクトゥグアが登場する「闇に棲みつくもの」は、神話用語のオンパレードと言って良いほど有名な単語が所狭しと登場してきます。

ラブクラフトの作品と比較するまでもなく、その扱いは宇宙的恐怖を扱っているとは思えないほど軽く見えてしまいます。

ラブクラフト好きの人にしてみれば、絶対的な恐怖である存在が人間の召喚に応じたり、その結果として矮小な存在の人間を助けてしまうというのはあり得ないことなのです。

このためクトゥグアは「ダーレス神話」として扱われ、「ラブクラフト神話」と区分けするファンには好まれない存在となっています。

人間を遥かに超越した絶対的な恐怖に神格や属性など意味は無いのです。

クトゥルフ神話は多くのクリエイターの手によって様々な姿になってきています。

しかし、中には原典であるラブクラフトの思想とは大きくかけ離れたものもあるため、同じクトゥルフ神話ファンであっても好き嫌いがはっきり分かれてしまっているのです。

言葉だけ使ったものをクトゥルフ神話作品として扱うか、という議論にまで発展することもありますので注意が必要です。

ラブクラフトがクトゥグアを考えていたらもう少し活躍の場もあり、もっと驚異的な存在として君臨していただろうと思います。

せっかくの良いキャラクターなのに残念で仕方ありませんね。

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