都市伝説?ズジスワフ・ベクシンスキーの三回見たら死ぬ絵とは

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怖いと感じるようなものを遠ざけたいと思う一方、それらに強く心を惹かれてしまうという人は少なくありません。

高所や虫、尖ったもの…何を怖いと感じるかは人それぞれですが、多くの人が恐れるものといえば、やはり「死」ではないでしょうか?

そこでここでは、「三回見たら死ぬ」と言われている絵についてご紹介したいと思います。

「三回見たら死ぬ絵」

ズジスワフ・ベクシンスキー,3回見たら死ぬ絵(no title)

ズジスワフ・ベクシンスキー,3回見たら死ぬ絵(no title)引用元:DMOCHOWSKI GALLERY.NET

ネットなどで、「三回見たら死ぬ」と噂されている絵があります。

ポーランドの画家、ズジスワフ・ベクシンスキー氏の作品です。

後ろに湖らしきものが広がる荒涼とした風景。

その中に置かれた縦長のシルエットの椅子の上には、黒髪の女性の頭部が置かれています。

色彩に乏しい寒々しい画面や、モチーフの不気味さなどは、確かに「三回見たら死ぬ」の評判に似つかわしいかもしれません。

恐ろしさや寂しさの一方で、不思議な美しさを感じさせる絵でもあります。

作者・ベクシンスキーとは?

この不気味な絵は、どのような人物によって描かれたものなのでしょうか?

前述のとおり、作者はズジスワフ・ベクシンスキー(1929~2005)。

ポーランドの画家・写真家・芸術家です。

彼の作品には、この「三回見たら死ぬ絵」のみならず、恐怖を掻き立てるものが多くあります。

退廃的で絶望を感じさせる作風から、「終焉の画家」と呼ばれることもあるようです。

人類が絶滅した後の光景を描いたかのような諸作品は、ラヴクラフトなどによって作られた「クトゥルフ神話」を彷彿とさせるかもしれません。

このような作品を生み出す一方で、ベクシンスキー本人は、内向的で人当たりの良い、穏やかな人物だったと言われています。

ただし、少年時代にナチス・ドイツによるポーランド侵攻を体験したり、息子を自殺によって失っていたりと、その人生は波乱に満ちたものだったようです。

また2005年、自宅で殺害されたことによってその人生を終えています。

彼の不幸な最後も、もしかするとこの都市伝説に箔をつけてしまったのかもしれません。

ちなみにベクシンスキーの作品は、タイトルがつけられていないことでも知られています。

鑑賞する人は、タイトルによる先入観を持つことなく、各個人の感性で鑑賞することができるでしょう。

真偽はともかく愛される作品

さて、この「三回見ると死ぬ」と言われる絵ですが、幸いなことに、この噂には特に根拠らしきものはないようです。

その不気味なビジュアルや、作者の波乱の多い人生が、このような曰くを生んでしまったのかもしれません。

少なくとも、ネット上で画像を見るくらいなら、死ぬことはないでしょう。

ちなみに、恐ろしい一方で非常に魅力的なこの作品は、本の表紙にもなっています。

『怖い話』(幻冬舎文庫)というエッセイ集で、著者はホラー小説や実話怪談などの著作を持つ福澤徹三氏です。

もしも噂が本当だったら、この本を平積みにした書店はとんでもないことになってしまいそうです。

「三回見たら死ぬ」…このような恐ろしい噂がささやかれているということは、それだけこの作品に魅力がある、ということの証明であるように思えます。

また、このように多くの人の心を惹きつけているのは、作品自体の魅力のみならず、私たちの「怖いもの見たさ」とでもいうべき感性のためかもしれません。

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