クトゥルフ神話を知るためにTRPGをプレイするという方法があります。
シナリオに沿ってゲームをプレイし、付属の資料を見てクトゥルフ神話の世界を知ることができるのです。
ここではプレイに必要不可欠なシナリオについてご説明します。
クトゥルフ神話TRPGの概要

クトゥルフ神話を題材にしたテーブルトークRPG(TRPG)は1人で遊ぶものではなく、1人のキーパーと呼ばれる進行役と複数のプレイヤーのグループで楽しむゲームです。
TRPGの代名詞でもある『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とは異なり、現代物のホラーゲームで、クトゥルフらしく恐怖と狂気に満ちています。
クトゥルフ神話TRPGについて知りたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
ゲームはキーパーが前もって用意したシナリオに従って進めます。しかし、ルールブックに付いている4本のシナリオだけではすぐに飽きてしまうでしょう。
では、どうするのが良いか。答えは「自作する」です。
必要不可欠なシナリオについて
シナリオ自作といってもいきなりは無理なので、最初に買うこととなる基本セット『Call of CTHULHU』(クトゥルフ神話TRPG)についている4本のシナリオをアレンジしていきましょう。
ただし、キーパーもプレイヤーも初心者であるのなら、まずはこのセットに付いているシナリオをプレイすべきです。
基本的なことは網羅されていますので、実際にプレイすることで流れが掴めるようになりますし、ゲームの雰囲気も楽しめます。
クトゥルフ神話の知識が身について、付属シナリオでは物足りないと感じ始めたら、そこからアレンジの開始となります。
例えば、舞台が10部屋の洋館であるなら部屋数を増減させる、部屋の繋がりを変える、外観を変える、思い切って武家屋敷にしてしまう。
これだけでもゲームの雰囲気は大きく変わります。
4本のシナリオのアレンジだけでは物足りないと感じるようになれば、自作できるくらいの知識が身についているはずです。
でもまだちょっと自信がない、自作してみたけど上手く行かないという人には、別のところから参考にするシナリオを持ってくる方法もあります。
なお、サプリメントと呼ばれる拡張キットにも公式シナリオが付属しています。
しかし、サプリメントそのものが高価であり、新たな要素が加わることとなるため、慣れない内に購入するのはお薦めしません。
ではどうすれば良いのか、と思われる方には、ネットで配布されているシナリオを手に入れるのをお薦めします。
ネット配布シナリオを利用する方法
クトゥルフ神話TRPGに限らず、TRPGファンの中には自作のシナリオを公開して無償配布されている方がたくさんいます。
「クトゥルフ TRPG シナリオ」という条件で検索するだけでも、大量に出てきます。
もちろん日本国内だけでなく海外にもシナリオ配布サイトはあります。語学力に自信のある方は一度見に行ってみると良いでしょう。それらを使ってゲームをするというのが、比較的簡単に楽しめる方法です。
しかし、適応人数や推定所要時間(1ゲームを終わらせるのに掛かると想定される時間)などが自分たちのグループに合わない場合もあります。
また高難易度と設定されているものを初心者グループで遊ぶと、面白さよりもストレスのほうが大きくなる可能性もあります。
かと言って、大量にある中から自分たちにあったものを探すのはなかなか大変です。見つかったとしても面白いかどうかもわかりません。
中にはクトゥルフとは無関係な学園シナリオや、戦闘重視のシナリオなどもありますので、どれが自分たちに合っているかを判断するのは難しいと思います。
それらを考えると、配布シナリオを参考にして「自分たちに合うようにアレンジしたほうが良い」となってくるのです。
それに配布シナリオはプレイヤーでも見ることができるため、どこで何が起きる、何がある、どういう情報を得るのが良いかまで知ることができます。
つまりネタバレ済みの推理小説を読むようなものとなってしまうのです。
これでは面白さも半減しますよね。
参加人数に合わせて探索範囲を狭くする、登場するキャラを別のものに替える、敵対する存在を低級のものにする、これだけでも配布シナリオとは違うものにすることができ、違った楽しみ方を見つけられることもあります。
ネットにある膨大な量の配布シナリオをアレンジできるようになれば、次はいよいよ自作シナリオに挑戦してみましょう。
自作シナリオを薦める理由
ゲームは1つのシナリオをクリアして終りとなるのですが、複数のシナリオを関連付けて大きな展開にすることもでできます。
これをキャンペーンと呼びます。
小説『クトゥルフの呼び声』のように3つのシナリオをクリアしていく間にクトゥルフの存在を知って、4つめのシナリオでクトゥルフの恐怖から逃げる、複数の事件でナイアルラトホテップが暗躍していた、といったゲーム展開もできるのです。
これをやりたいと思うのであれば、ぜひ自作してください。
シナリオごとの整合性やバランス調整が絶対楽になります。
そのためにはクトゥルフ神話の知識も必要ですし、ゲームの理解度も必要となります。
しかし、遊びながらクトゥルフ神話の知識を得られるTRPGはクトゥルフ神話入門には最適な方法でもあります。
もしクトゥルフに興味を持ったお友達がおられるのなら、ぜひご一緒に遊んでみてください。理屈抜きに楽しいゲームです。そして一緒に狂気の世界の住人となりましょう。”
シナリオ作成についての注意点
シナリオを自作することに制約はありませんが、あくまでゲームですので、参加する全員が楽しめるように心がけましょう。
クトゥルフ神話に登場する強大で絶対的な恐怖は魅力的ですが、それをいきなり登場させてもキャラクターがすぐに狂人化して終わってしまうだけとなります。
それでは面白いとは思えなくなりますよね。
シナリオは必ずクリアできること、これが絶対条件です。
余裕を持ってクリアできるのか、ギリギリとなるのか。
それが難易度調整であり、キーパーの手腕とも言える部分です。
シナリオが上手くでき、他の人にも薦めたい場合はウェブで公開できます。
ただし、著作権と商標の問題があることには注意しましょう。
ラブクラフト自身が書いたクトゥルフ神話は著作権が切れていますが、それを元にして書かれた作品には著作権が生きているものが多いです。
「ニャル子さん」「Bloodborne」などを使ったシナリオは、個人で楽しむ程度にしておきましょう。
また「クトゥルフ神話TRPG」は角川エンターブレイン社の商標、「クトゥルフの呼び声」はホビージャパン社の商標と2つ存在します。
完全な自作シナリオであれば問題はありませんが、既製シナリオを改編したものであれば「出版物の転載・複製・加工」に当たると判断され、商標権侵害と見なされる可能性もでてきます。
公開するときはくれぐれもご注意くださいね。
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