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神話や伝承にも登場!ザクロの不思議な魅力

『Pomegranate with Tendril(柘榴とつる)』
『Pomegranate with Tendril(柘榴とつる)』(Albrecht Altdorfer (アルブレヒト・アルトドルファー画)、原典

色鮮やかな花と、独特な形の果実をつけるザクロ。

吉凶の相反する言い伝えや、伝承の中での不思議な存在感は、この植物の魅力のひとつと言えます。

ザクロ(柘榴)はミソハギ科ザクロ属の落葉小高木。

秋には果実を実らせ、食用または鑑賞用として栽培されます。

色鮮やかな花もきれいですが、やはり独特なのはその果実。

丸い果実の中に、ルビーのような果肉の見える様子は、他の果実にはない印象的なものです。

本稿では、神話や伝承に登場するザクロのエピソードを交えつつ、その魅力をお伝えします。

ザクロは不吉?縁起がいい?

ザクロには、相反する二種類の言い伝えが見られます。

一つは、「ザクロは縁起が悪い」というもの。

庭に植えるのはよくない、などと言われることがあります。

たとえば、「ザクロの木がある家は病人が絶えない」などの言い伝えがあるようです。

その一方で、ザクロを縁起がいいものととらえることもあります。

ザクロの身の中には種子がぎっしりとつまっており、その様子が子孫繁栄を連想させるためと言われています。

ひとつの植物に二つの異なる伝承。

この二面性に不思議と惹きつけるものを感じます。

神話や伝承ではザクロはどのように描かれているの?

ザクロは神話や伝承に登場することもあります。見ていきましょう。

冥界の果物?ギリシア神話にも登場

ペルセポネーの帰還 (フレデリック・レイトン/画
The Return of Persephone, c.1891 (oil on canvas) by Leighton, Frederic (1830-96);
ペルセポネーの帰還 (フレデリック・レイトン/画, 1891)

ギリシア神話には、ザクロが登場する有名なエピソードがあります。

冥界を治める神・ハデスは、自らの妻とするため、ゼウスとデメテルの娘であるペルセポネを、強引に冥界へと連れ去ってしまいました。

母親のデメテルは娘を探し、太陽神のヘリオスからペルセポネの居場所を聞き出します。

しかし、ハデスとペルセポネの結婚は、神々の王たるゼウスが支持するものでした。

デメテルは略奪が公認のものであったことに激怒し、自らの仕事を放棄してしまいます。

ちなみに彼女は豊穣の神。

彼女のストライキによって、地上では作物が育たず、大凶作となってしまいます。

これにはゼウスや他の神様たちも困ってしまい、ペルセポネを地上へ返すこととなりました。

 

ところがペルセポネは、冥府でものを食べてしまっていたため、完全には地上に戻ることができなくなっていました。

ここで、ペルセポネが冥府で食べたとされる果物がザクロです。

ザクロを数粒食べたために、ペルセポネは一年のうち三分の二を地上で、残りを冥府で過ごすことになりました。

デメテルは娘がいる間は喜びに溢れていますが、彼女が冥府に帰ると悲しみ、地上に恵みをもたらすことをやめてしまいます。

こうして地上に四季が生まれたと言われています。

ザクロはこのように、ギリシア神話でも印象的な扱われ方をしています。

「冥界の果実」なんて言うと、なんだかカッコイイような気がしませんか?

味が人肉に似ている? 鬼子母神とザクロ

ザクロには不気味な言い伝えもあります。

その味が人間の肉の味に似ている、というものです。

実際に人肉を食べるわけにはいきませんから、この二つの味を比較することは非常に難しいでしょう。

しかしなぜ、このような話が生まれたのでしょうか?

ザクロは鬼子母神に縁のある果物とされ、その像は手にザクロの実を持っています。

鬼子母神は仏教を守護する女神で、多くの子供を持っていました。

その人数は五百人とも千人とも言われています。

しかし彼女はその子供たちを育てるため、人間の子供を捕え、食べてしまっていました。

このことを見かねた釈迦は、鬼子母神が最も愛していた末の子供を隠してしまいます。

彼女は半狂乱になって子供を探しますが、見つけることができずに、釈迦に助けを求めることとなりました。

釈迦は「お前にはたくさんの子供がいるのに、その一人がいなくなっただけでそのように悲しんでいる。なら、たった数人しかいない子供を奪われた親の悲しみはいかほどであったことか」と、鬼子母神を諭しました。

彼女は自分の非を認め、我が子を返してくれるのならば、もう人の子供は食べないと誓いました。

そこで釈迦は鬼子母神の末子を彼女に返し、鬼子母神は仏法を守護するようになったとされています。

ザクロを持っているのは、人の子供を食べることをやめるため、その代用として味の似ているザクロを食べるよう、釈迦に勧められたからだと言われています。

もっとも、この話は単なる俗説だと言われることが多いようです。

仏典によれば、鬼子母神はその手に「吉祥果」という果実を持つとされています。

この吉祥果がどのようなものかわからなかったため、ザクロで表すようになったと言われます。

俗説にせよ、「人肉に味が似ている」という話は、聞くだけで強いインパクトを残すものですね。

この話を聞いて、ザクロに恐怖や興味を抱いた人もいるのではないでしょうか。

まとめ

ザクロにはビタミンCやカリウムが多く含まれるとされ、美容効果などが期待できると言われています。

また、女性ホルモンの「エストロゲン」を含むと言われ、バストアップなどに効果があると話題になったこともあります。

ありふれた植物のようでありながら、何となく意味深なザクロ。

これらの神話や伝承におけるザクロのエピソードを知っておけば、より魅力的なものに見えるかもしれません。

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