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神話の舞台を現代ギリシャに訪ねる:デルフォイ神殿を訪れて太陽神アポロンのお告げを聞こう!

アポロン像(『Apollo Belvedere』、バチカン美術館)
アポロン像(『Apollo Belvedere』、バチカン美術館)

この原稿のライターは、以前、

  • 子供の頃にギリシャに滞在していたこと
  • その時期には既にギリシャ神話に興味を持っていた為、アテネのゼウス神殿の崩壊ぶりが衝撃だったこと

という内容の記事を担当させていただきました。

その続きとして、「現代ギリシャには、他にも神話ゆかりの地が残っているのか?」という観点のお話を、今回から何回かに分けて、させていただきたいと思います!

しばしば神託の地として出てくるデルフォイ神殿は、普通に観光旅行でいけますよー!

デルフォイ劇場跡
デルフォイ劇場跡(原典

今回は、デルフォイ神殿のお話をしましょう。

ギリシャ神話や、古代ギリシャの歴史が好きな人は、「デルフォイ」といえばすぐに胸がときめくのではないでしょうか?

デルフォイ神殿とは、日本でいうイタコさんのような方がいて、お願いをすると神様のコトバを「神託」として受け取り、教えてくれる場所とされています。

現代風に言えば「占い所」ですが、古代の世界では「占い」などという軽いワードでは済まされないほど、さまざまな物事の決定の際に重要な役割を担っていたと考えられます。

「神託所」という場所自体は、どうやら他の街の神殿にもいろいろあったようです。

しかし、ことさら古代では「なんといってもデルフォイの神殿の神託がイチバン!」という扱いとなっていたようで、神話や歴史に、この地名は本当によく出てきます!

たとえば……

  • 有名な格言、「汝自身を知れ」は、デルフォイ神殿の神託が基となっている
  • 哲学者ソクラテスの「無知の知」という教えも、このデルフォイで下された神託から生まれた
  • 神話『オイディプス王』で、主人公オイディプスの悲劇の始まりとなった神託は、このデルフォイ神殿で下された
  • 実際の古代史に登場する重大事件、「サラミスの戦い」において、ギリシャ軍が陸上戦でなく海上戦を決戦に選んだのは、このデルフォイで「木の壁を作れ」という意味の神託が下ったことを受けて、アテネのリーダーが「きっと木造戦艦をたくさん作れ、という意味だ、つまり海上戦に持ち込めばギリシャが勝てるというお告げだ!」と指示した為。で、実際にギリシャ軍が大勝した。

などなど、たくさんです。

神話において、「ナゾめいた神のお告げ」が物語を動かす重要な伏線になることはよくありますから、そうしたお告げが出てくる代表的な地名としてデルフォイがよく言及されるのはよくわかります。

しかし、サラミスの戦いのような、世界史の教科書にも太字で出てくるような史実の上でも、「デルフォイのお告げ」が決定的な役割を果たしていたとは!

古代ギリシャの人たちの精神世界が読み取れて、興味が尽きませんね。

そしてこのデルフォイ神殿、「神話の中の場所だよね」と思い込んでいた方に、朗報です。

今でも普通に訪れられる、観光地になっていますよ!

デルフォイの街(表記によっては「デルポイ」ないし「デルフィ」)に行くにはちょっと工夫が必要

デルフォイに残るアポロンの神殿の遺跡。ここでデルポイの神託が行われた。
デルフォイに残るアポロンの神殿の遺跡。ここでデルフォイの神託が行われた。(原典

ともあれギリシャの中でもかなり田舎の地方にある町なので、飛行機でまっしぐら、というわけにはいきません。

いったんはギリシャの首都アテネに行き、そこから陸路で行くしかありません。

電車があまり発達していない国ですので(なぜ電車が少ないのか、私もずっと不思議なのですが、山が多すぎて鉄道敷設にはイマイチなのと、単純にギリシャ人が車&バイク大好きすぎて電車に興味がないからと推測します!)、長距離バスを乗り継いでいくことになります。

ともあれ調べてみると、最近ではアテネからの「一日バスツアー」なんてものがボンボン出ているみたいです。

単純に、アテネのホテルを基地にして、バスツアーに参加しちゃうのが早いかもしれませんね。

今時はこういうバスツアーは日本からネットで現地のツアー予約もできますし、単純に日本の旅行会社に問い合わせると、日本人向けのプランが出てくるかもしれません!

デルフォイの神殿はどんな観光地?

アポロン神殿の遺構
アポロン神殿の遺構(原典

で、このデルフォイ神殿がどんなところかというと、ハイ、きました!ユネスコの世界遺産です!

ギリシャという、言ってはなんですがあまり財政が裕福ではない国で、「世界遺産登録されている」というのは、観光客にとってとても大事です。

というのも、世界遺産ともなると、ちゃんと遺跡も保護されているし、周辺整備もされているし、博物館などの関連施設も用意されているので!

このデルフォイは、急な山の斜面に「ここが神殿跡」「ここが宝物殿跡」「ここが劇場跡」と、当時の様子を偲べる遺跡がボンボンと建っている圧巻の景色です。

やまあいの空間に、にょきにょきと柱を建てた建造物が乱立している姿は、「まさに古代ギリシャの風景!」と圧倒されると思います!

ところで、デルフォイ神殿をつかさどっているのは、実は太陽神アポロン

アポロン像
アポロン像(『Apollo Belvedere』、バチカン美術館)

こんなに有名なデルフォイの神殿ですが、ひとつ、意外に知られていないかもしれないことが。

先ほどから「神のお告げ」と言っていますが、その場合の「神」とは誰のことか。

てっきり、「最高神ゼウスでしょう?」と思い込んでしまっている人もいるのではないでしょうか?

かくいう私も、少年時代の頃は、うっかりそう思っていた時期があったのですが、ここで神託をくれる神様は、実は太陽神アポロンです。

アポロンの力で、巫女さんがトランス状態になり、彼女らの口から「神託」が語られる、という構造となります。

ギリシャ神話に登場するオリュンポスの神々については、ゼウスの神殿、アテナの神殿など、それぞれの神殿がギリシャ各地にありますが、アポロンの神殿といえば、やはりこの、デルフォイ神殿が一番の知名度となるでしょう。

なにせ、ユネスコの世界遺産ですから!

デルフォイの神託所、という地名に惹かれる人のみならず、「ギリシャの神々の中では、アポロンのファン」という方も、さらには「できるだけオリュンポス十二神の全員の神殿をめぐりたい!」という殊勝な方も、デルフォイ神殿をぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか?

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