- 種別:剣
ランスロットの剣。主として同じ円卓の騎士の殺害に使われており、そういう意味では「魔剣」なのかも知れない。
ガウェインとの戦いにも使われたランスロットの剣「アロンダイト」
ランスロットの使っていた剣。
マロリーの「アーサー王の死」には登場せず、他の断片的な資料の一部に「アロンダイト」の名が記されていただけであったらしい。
しかし、アロンダイトと命名されてからは「剣の伝説」が一人歩きするようになり、ランスロットの養母である湖の貴婦人ヴィヴィアンが鍛えた剣である、とされるようになった。
ここに至り、アーサーのエクスカリバーやガウェインのガラティーンとの混同も生じるようになる。
マロリーの物語においては、無銘の「ランスロットの剣」はさまざまな騎士たちを倒す場面で大活躍する。
ランスロットとの不倫がバレて処刑されそうになったグィネヴィアを救うために刑場破りを行い、ガヘリスとガレスの兄弟をはじめ24人を殺害したのも、後にアロンダイトと呼ばれるようになった剣だと思われる(アグラヴェインをはじめとする13人を殺したのはアロンダイトではない)。
ただし、これらのランスロットの行動は、どう考えてもほめられたものではないため、アロンダイトも「聖剣」というよりは「血塗られた魔剣」とでもいうべき役割を担わされている。
アロンダイトの最後の活躍の場は、ランスロットとガウェインの一騎打ち、つまりガラティーンとの戦いということになる。
この戦いは2日間にわたり、アロンダイトは、午前中に通常の3倍の力を発揮するガウェインとガラティーンの猛攻を耐 え抜き、ついにガウェインに重傷を負わせるに至った、という。
マロリーの物語においては、これ以後「ランスロットの剣」についての記述はない。
ランスロットが死んだ時、その棺の中に入れられたとも書かれていない。
このため、アーサーのエクスカリバーのごとく、ヴィヴィアンが回収しにやってきた、という話を後になってから創作する人もいたようだ。
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