- 種別:剣
「聖剣」ということで、さまざまなファンタジー作品に引用されるようになったアイテム。しかしその名は誤記から生まれたという。
キング・アーサーの持つ聖剣「エクスカリバー」
アーサーの武器の代名詞となった剣。
とはいえ、古い文献には登場せず、初出はマロリーの「アーサー王の死」(15世紀)とかなり新しい。
こうなったのにはわけがある。
アーサー王伝説はまずイギリスで広まり、その後フランスに中心が移動し、さらにまたイギリスに戻って書物として書かれたという複雑な過程を経ている。
最初にイギリスからフランスに移った際に、「カリバーン」に「その」を意味する「Et」が付加され、さらにそれが「E s」と誤記された。
これがイギリスに戻った際にさらに「Ex」と2重に誤記され、「Excalibur」となったのだというのだ。
ただし、この名称が生まれてから、恐らく後付で「カリバーンが折れた後、湖の貴婦人によって鍛え直されたのがエクスカリバーである。つまり、『エクス・カリバーン』なのだ」とする説が生まれてくる。
「アーサー王の死」においては、エクスカリバーの鞘は剣本体の10倍の価値がある、と説明されている。
この鞘の所有者は、どのような戦いに赴いても決して傷を負うことはない、というのだ。
ただしエクスカリバーの鞘は剣を得てからほどなくアーサーの異父姉モルガン・ル・フェイによって奪われてしまっている。
その後アーサーはローマ帝国征服に出発し、エクスカリバーで巨人やローマ皇帝を血祭りに上げる。
ただし、エクスカリバーの活躍が描かれるのはここまでで、ランスロットが活躍する物語後半になると、ほとんど登場しなくなる。
最後の戦いにおいても、アーサーはモードレッドを槍で倒しており、エクスカリバーを使用していない。
この時、モードレッドは剣でアーサーの頭に切りつけ、アーサーは頭蓋骨に達するほどの致命傷を受けている。
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