- 種別:円卓の騎士関係者
- 親族関係:ガラハッドの母
不倫男ランスロットを、それでも追いかけ回した熱血乙女。その行動力とバイタリティには目を見張るものがある。
ランスロットの子を生むために創造された女性「エレイン」
ランスロットの実質的な妻で、聖杯の騎士ガラハッドの母。
とはいえ、「夫」ランスロットからは妻としての存在を認めてもらっていないし、さらには愛の行為の存在すら否定されてしまったという、女性としては非常に哀れな存在である。
元々ランスロットは王妃グィネヴィア一途で、他の女性には目もくれなかった。
どうやっても彼が振り向いてくれないのを苦にして自殺した女性もいたほどである。
その彼に一目惚れしたエレインは、媚薬と魔法を駆使して自分の姿をグィネヴィアそっくりに変え、ランスロットに迫る。
ランスロットは、最愛の王妃が呼んでいる、と勘違いしてほいほいと後にくっついて行き、交わってしまった。
このあたり、騎士としてはかなり問題がありそうだ。
正気に返ったランスロットは、即座にエレインをお腹の子供ごと見捨て、グィネヴィア様一途の状態に戻った。
しかし1年後、「ランスロットの子が生まれた」という知らせを聞いたグィネヴィアは激怒し、エレインは当てつけにもう一度魔法を使い、ランスロットと一夜を共にする。
これで完全にキレたグィネヴィアはランスロットをさんざんに罵り、ランスロットは精神に変調をきたして森をさまようようになる。
エレインはそんなランスロットを保護し、献身的に看病したのだが、この男は正気を取り戻したらまたもエレインとガラハッドを捨て、グィネヴィアの元に戻るのだった。
エレインは本来「ガラハッドの母」となるために創造された人物である。
エレイ ンという名は、ランスロットの母にも、先に述べた自殺した姫の名にも転用されており、物語作者がかなり投げやりだったことがわかる。
にも関わらず、騎士物語の「優等生」ランスロットに対し、徹底して自分を主張しきったために、エレインの側に不思議な魅力が生まれてきてしまっているのも事実であろう。
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