- 種別:円卓の騎士
- 親族関係:ルーカンの弟
アーサーの最後を看取った人物。それ以外ではほとんど活躍しないが、実在説もあるほど起源の古いキャラクターでもある。
エクスカリバーを湖へ返した騎士「べディヴィア」
円卓の騎士たちの中で、最後までアーサーに付き従ったとされる人物。
かなり古い文献にも登場するので「実在説」すらある。
円卓の騎士の1人に擬されてはいるが、そこでの彼の役割は酌係であって、武勲とは多少縁遠い騎士生活を送っていたようだ。
ただその一方で、片腕ではあったがすぐれた勇者であった、とする説話もある。
そうした中世無比のベディヴィアの見せ場は、アーサーが瀕死の重傷を負った時にやってくる。
アーサーは苦しい息の下で、ベディヴィアに、愛剣エクスカリバーを湖に投じるようにと命令したのだ。
ベディヴィアはいわれた通りエクスカリバーを持って湖畔に出たものの、稀代の名剣を投じるのが惜しくなり、密かに隠してアーサーの元に戻った。
アーサーは剣を投じた状況を尋ね、ベディヴィアは「単に水音がしただけだった」と答える。
それを聞いてアーサーは、ベディヴィアが嘘をついていることを見破り、もう1度剣を水に投じるように命じた。
ベディヴィアは再び剣を投じたふりをし、その嘘をアーサーに見破られる。
3度目にようやく決意したベディヴィアは、エクスカリバーを湖にめがけて投げた。
すると湖水から若く美しい女性の手が伸び、エクスカリバーを受け取ると、その柄を握ったままするすると水中に沈んでいった。
このことを復命するとアーサーは自分を水際まで連れていくように頼む。
ベディヴィアがその通りにすると、水際に貴婦人たちを乗せた小舟がやってきて、アーサーを連れ去った。

翌日、ベディヴィアは1つの新しい墓を見つけ、そこにアーサーの名が刻んであることを知り、失神する。
息を吹き返した後、彼は森の奥へと入り、やはり隠者となっていた元カンタベリ大司教のもとに身を寄せて、祈りの生活を送った。
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