- 種別:島
死に瀕したアーサーが運ばれていったという伝説の島。ケルトの妖精の世界「ティル・ナ・ノーグ」などの影響が見てとれる。
伝説の島「アヴァロン」
アヴァロンはケルト語で「リンゴ」を現す語が元になっているとされる。
このことから、ギリシア神話に登場する、金のリンゴが植えられている楽園・ヘスペリデスや、ケルト神話の死者の世界ティル・ナ・ノーグなどがその起源にあるのではないかとされてきた。
最近では、アーサー王伝説のルーツはサルマティアのナルト叙事詩にある、とする説が有力になってきているが、たとえナルト叙事詩がベースであったとしても、基本の説話が語り継がれていく過程でケルトやその他の地域の説話が混ざったとしても、何の不思議もないだろう。
特に、アーサー王伝説を集大成していったモンマスやマロリーの場合、何か別のことを自らの著作を通して主張しようとしていた点(マロリーがキャメロットをウィンチェスターだと断言したような部分)があるということを忘れてはいけない。
アーサーは、ベディヴィアにエクスカリバーを水中に投じさせた後に、湖の貴婦人たちの船でアヴァロンへと運ばれる。

この地においてアーサーは死んだとも、湖の貴婦人たちの手当によって蘇り、永遠の生を得たともいわれている。
マロリーの物語において、マロリー本人はアーサーは死んだということにしたがっているが、一般民衆がアーサー生存説を信じている、ということは付記している。
民衆がアーサー生存を信じる根拠としてマロリーは、アーサーの墓とされるものに「ここにアーサー眠る。過去の王にして未来の王」と刻まれているからだ、としている。
もしもアヴァロンが実在するのなら、このように刻まれた墓碑が発見されるはずである。
実際、13世紀にグラストンベリーでこのように書かれた墓碑が見つかり、その下から2体分の遺骨が発見されたという。
ただその墓碑のあった修道院は、宗教改革の時期に破壊されて現存しない。
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