20世紀になってから、テレビゲームなるものが登場し、その中でもロールプレイングゲームと呼ばれるものが1つの大きなブームを作った。
これらのゲームの基本的な世界観は「剣と魔法」であり、戦士の多くはプレートアーマーに身を包み、聖なる剣を携えて戦場に臨む。
アーサー王伝説は、こうした世界に対して、有力な「元ネタ」供給元となっているのだ。
最初に「ネタ」として出したのは、エクスカリバーなどの聖剣の名前である。

ほとんどのロールプレイングゲームにおいて、エクスカリバーやそれに類する名前の剣は、最高クラスの攻撃力を持つものとされる(エクスカリパーだけ例外)。
次にネタにされたのは、円卓の騎士たちの名前である。
ほとんどのゲームにおいて、ちょっと強そうな騎士系のキャラクターには、ランスロットとかガウェインとかガラハッドなどの名前が付けられている。
中には選択肢1つ選ぶだけで簡単に殺せ、かつ持っていた剣を奪えるキャラクターもいるようだが。
他にも、あの「指輪物語」の最強魔法使いガンダルフのイメージの元がマーリンであるなど、ネタを持っていった作品は枚挙にいとまがない。
なお、元がケルト語であり、その後英語やフランス語など数々の言語に翻訳されたアーサー王関連の人名・アイテム名には、異なる読みが数多くある。
これをうまく使って、ネタ元のキャラクターをわかりにくくする、という手法も使われる。
たとえば、「タクティクス・オウガ」には「ミルディン」と「ギルダス」という騎士が登場する。
ギルダスはアーサー王伝説に関する初期の文献を残した修道僧の名前そのものだが、「ミルディン」というのはウェールズ語の読みで、これを英語風に直すと「マーリン」になるのである。
ただこのキャラ、騎士であるためマーリンのように派手に魔法は使わなかったようである。
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