- 種別:戦場
ブリトン人たちがサクソン人を打ち破ったと伝えられる戦い。戦いそのものは実在したが、指揮者がアーサーだったかどうかはわからない。
ブリトン人とサクソン人たちが激しく激突した地「ベイドン山」
ローマの支配が揺らいでから、サクソン人が何度もブリタニアに進入しようとしたが、ローマ人やブリトン人たちは協力して何度もこれを退けた。
5世紀末に始まった大規模なサクソン人の進入を、ブリトン人たちが打ち破ったのが「ベイドン山の戦い」と呼ばれるものである。
モンマスによれば、この戦いは全部で12段あった連戦の最後のものであり、アーサーはこの戦いだけで900人余の敵兵の命を奪ったとされている。
マロリーの物語においても、ローマ遠征を行うまでのアーサーは、1人で何百もの敵を倒す「無双型」のキャラクターであった。
起源的にはランスロットなどが登場する話よりも、こちらの方が古いので、「戦場で暴れ回る狂戦士のような王」というのが、アーサーの源イメージに近いのではないかと思われる。
さてこのベイドン山の場所だが、例によってよくわかっていない。
ある人はコンウォールのどこかにあったのだろう、といっている。
なお、モンマスはこの時アーサーは騎兵部隊をうまく使って、敵を撃破したといわれている。
騎馬をよくする、という点ではサルマティア族の戦士も同様なので、これをもってアーサー王サルマティア起源説のひとつの証拠とする人もいるが、モンマスはそもそもアレクサンダーを念頭において「英雄王アーサー」のキャラクターを作り出しているので、アレクサンダーの事績をベースにした創作である、と考えることも可能だ。
アレクサンダーも、重装歩兵・軽装歩兵を中心に、機動打撃兵力として騎兵を効果的に使ってペルシア軍に勝利したことが伝えられている。
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