- 種別:円卓の騎士関係者
- 親族関係:ガウェインの妻
「ガウェインの結婚」という独立した小編に登場するヒロイン。最初は老婆の姿だが、最後には絶世の美女に変身する。
呪いによって姿を変えられた女性「ラグネル」
ある時邪悪な騎士が乱暴を働いている、という訴えを聞いたアーサーは、騎士を取り押さえるために出馬したが、魔法にかかって腰抜け状態にされてしまう。
あっさり捕虜になったアーサーは、「すべての女が最も強く望むことは何か」という問いの答えを1年以内に探し出すことと引き替えに釈放される。
締め切り直前になっても答えを見出すことのできないアーサーは、森へと遁走するが、そこで醜い女に「私に夫を与えてくれるのなら答えを教える」といわれた。
アーサーは承諾し、女は「それは『自分の意思を持つこと』だ」と告げる。
醜い女は乱暴な騎士の妹であり、アーサーがその「正解」を告げると、騎士は妹を罵りつつ消えた。
さて、騎士の方はこれでカタがついたが、問題はまだ残った。
誰をその醜い女の夫とするかである。
アーサーの忠臣第1号であるガウェインは「それがしが」と名乗りを挙げる。
他に勇気あるものがいなかったため、醜い女はガウェインに与えられることになった。
初夜の床でガウェインは「お前は老いて、醜く、身分もない」と愚痴をこぼす。
それについて妻は「老いているということは思慮に富むということ、醜いということは、浮気を心配しなくていいということ、身分というのは生まれつきではなく、魂のありようによって決まること」と答える。
驚いてガウェインが妻を見ると、そこには美女がいた。
実は名をラグネルという彼女は、魔法によって醜女に変えられていたのだ。
ガウェインが彼女を娶ったことにより呪いは半分解け、1日のうち半分だけ本来の美女に戻れることになった、という。
ガウェインは最初、彼女の美を独占したいので夜だけ美女にと望んだが、女としては昼の方がうれしいという妻に譲歩した。
その瞬間、残りの半分の呪いも解け、ガウェインは一日中美しい妻と暮らすことになったという。
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