- 種別:円卓の騎士
- 親族関係:マルク王の甥
アーサー王伝説とは本来別起源の物語の主人公。美女イゾルデとの悲恋がフランス人に大ウケし、後には楽劇も作られた。
悲哀の騎士「トリスタン」

トリスタンを主人公とする物語は、アーサー王伝説と同様にケルト起源のものである。
その後、フランスに渡りこの地の吟遊詩人などによってさかんに吟唱されたという点でも似た経緯を辿った。
この結果、最終的にはトリスタンは円卓の騎士の1人とされ、アーサー王伝説に組み込まれる。
しかし、本来別の話だったため、何かというとトリスタンは他の仲間を離れて単独行動を行うというキャラクターになってしまった。
トリスタンはとある国の国王の子であるが、生まれる前に父が魔女に拉致されてしまう。
母は父の後を追いかけるが、息子を産んだ直後に力尽きる。
このため彼は「嘆きの子(トリスタン)」と名付けられた。
その後、父はマーリンによって救出され、トリスタンは父のもとで育てられる。
しかし、7年後に父が娶った後妻に迫害される。
最後に義母はトリスタンを毒殺しようとさえした。
父もさすがにこれは見過ごせず、妻を火あぶりにしようとしたが、トリスタンは父に義母の命乞いをした。
とはいえ、その後息子を妻の側に置いてはまずいだろう、と判断した父は、トリスタンを海外武者修行の旅に出す。
この旅で立派な青年に成長したトリスタンは、コーンウォールの叔父マルク王の宮廷に仕える。
アイルランドの王がコーンウォールに貢納を要求し、騎士マーハウスを派遣した時、トリスタンはマーハウスと戦い、これを倒した。
マーハウスはアイルランドに逃げ帰ったがそこで死ぬ。
だが、この戦いで力の限りマーハウスの脳天に打ち込まれたトリスタンの剣は刃こぼれし、トリスタン自身も重傷を負う。
医師たちは「この傷を負わせたもののいる国に行かない限り回復しない」と診断したため、トリスタンは身分を隠してアイルランドに行き、イゾルデと会うことになるのである。
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