【円卓の騎士】ランスロットとエレインの子:ガラハッド

アーサー王
  • 種別:円卓の騎士
  • 親族関係:ランスロットの子

永遠の純潔美少年。清らかだったが故に、聖杯とともに若くして神に召されることとなった。

【敬虔かつ純真】非の打ち所のない騎士ガラハッド

『Sir Galahad(ガラハッド)』
『Sir Galahad(ガラハッド)』(ワッツ画)

ランスロットとエレインの間に生まれた子。

すでに述べたように父であるランスロットはグィネヴィア一途の人で、他の女性は見向きもしないような男であった。このためガラハッドは父に子として認められることなく、修道院で成長することになる。

しかし魔法使いマーリンが「この子はやがて聖杯を得るものとなる」と予言したため、成人したガラハッドはランスロットの元に行き、さらにアーサー王の宮廷へと出向く。

そこでさまざまな試練を受け、すべてを突破したガラハッドは、長らく空席となっていた円卓の「13番目の席」を与えられることになる。

やがて彼は聖杯探索に乗り出し、見事聖杯と聖槍を得るのだが、あまりに清らかであるためにそのまま神に召されてしまう。

というように、ガラハッドは聖杯伝説の主役といっていい人物なのであるが、キャラクターとしての魅力は非常に乏しい。

というのは、彼は元々聖杯の騎士としての役割が最初にあり、その役目に適した形に後から創作されたキャラクターだったからだ。

聖杯の騎士というのは、本来パーシヴァルが担うべきものであったが、フランス系の説話群においては、主役ランスロットにこの役を担わせようとする動きが出てきた。

中世に描かれたパーシヴァル
中世に描かれたパーシヴァル

しかし、主君の妻との不倫を演じるランスロットは、清浄であることが第1とされる聖杯の騎士としては不適当なので、急遽「ランスロットの子」が作られ、その役を負わされたのだろう、と考えられている。

またガラハッドは、主君であり聖杯探索の命令者であるアーサー王の劣化コピーでもあり、魔法による出生や苦難の少年時代の伝説を共有している。

このように、ガラハッドは役割上円卓の騎士最強の存在であり、敬虔かつ純真と非の打ち所のない青年(美少年?)とされている。

だが、弱点とともにオリジナルのエピソードをほとんど持っていないため、物語の登場人物としては非常に影の薄い存在となっているのだ。

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