北欧神話のトリックスター!ラグナロクの元凶:ロキとは?

ロキとその妻
ロキとその妻

トリックスターとは、神話や物語の中で他の登場人物を陥れ、物語を混乱へ導く存在。

そんな役割を担った悪神ロキは、強烈な個性から現代のゲームにも頻繁に登場します。

彼は北欧神話の中で、どのような存在として描かれていたのでしょうか?

その秘密に迫ります!

その行動は「トリックスター」と称される

Loki finds Gullveig's Heart(John Bauer, 1911)
ロキ (Loki finds Gullveig’s Heart, John Bauer, 1911)

彼が登場するエピソードは、キリがないほどたくさん存在します。

狡知(こうち)にたけ、様々なトラブルを起こしたロキは、神々を始め北欧神話の世界を大混乱に陥れます。

両親ともに巨人族のため、ロキは純粋な巨人族出身になります。

しかし、主神オーディンと「義兄弟の契り」を交わしたことにより、アースガルドにその身を置いていました。

様々なものに変化する能力に長けていた彼は、しばしば動物の姿に変えてはいたずらを行います。

こんなエピソードが残っています。

ある晩、女神フレイヤの首飾りを盗もうとハエに変化して部屋に忍びこんだ後、ヘイムダルに見つかって熊やアザラシに変化しながら逃亡劇を繰り広げました。

ロキは大小関わらずに様々な対象に化けては、ずる賢く周囲を惑わしていたようです。

二面性を持ったトラブルメイカー

では、「狡智な悪神」の名の下にロキは悪行ばかり行っていたのかというと、実はそういう訳でもありません。

時として、同じ巨人族すら征伐した話も残るほど、善行やオーディンの命に素直に従って物事の収束を計ることもありました。

8本脚の馬(スレイプニル)で天翔るオーディン(アーサー・ラッカム)
8本脚の馬(スレイプニル)で天翔るオーディン(アーサー・ラッカム)

善悪の両面を備えた複雑な存在である性格も彼の魅力のひとつにもなっており、現在に至るまで盛んに研究が行われてきました。

ロキという名前の由来に関しても、「終わらせるもの」や「炎」といった由来の他にも諸説あります。

古代ギリシア語やノルウェー語の「誘う」という単語との関連性から飛躍して、「他の神を誘惑する邪神」を現すなど、現在に至るまで様々な語源が見出されています。

まるで、彼の複雑な性格を示しているかのようですね。

ちなみに他の神話でも、ロキのような「物語の引っ掻き回し役」は存在します。

例えばキリスト教だとルシファー、ギリシア神話だとプロメテウスなどが挙げられているようです。

いずれの神話においても、ロキのように頭の回転スピードが早く、驚きや意外性を与える役回りの人物は、なくてはならない存在だったのかも知れませんね。

世界の破滅を洞窟で待つ

ロキとその妻
ロキとその妻

ラグナロクが始まる時、神々から寵愛(ちょうあい)を受けていたバルドルという神を死へ追いやったロキは、洞窟の中にある大きな岩に鎖でくくりつけられていました。

これまでの混乱を引き起こした結果でもあったので、神々は誰も彼を助けようとはしません。

アースガルドに住まう神々に父親を殺された巨人族のスカジは、ロキが岩に囚われる様子を気持ち良さそうに眺めていました。

突然、スカジはどこからか持ってきた毒蛇をロキの頭上に吊るしました。

恐らく、父を殺された彼女なりの復讐だったのかもしれません。

毒液が絶えず顔の上にしたたり苦しむロキ。

それを見かねたロキの妻は、杯でそれを受け止める事にしました。

しかし、絶えず垂れてくる毒液によって杯が満たされてしまい、定期的に中身を捨てにいく必要がありました。

その間、額の上には毒が滴り落ちるため、ロキがもがき苦しむと大地が大きく揺れました。

これが、人間界で地震が起きる理由になったと伝えられています。

そして、いよいよ太陽と月が飲み込まれた時、彼を捉えていた鎖が四方に飛び散り、ロキの子ども達と共に復讐のため神々の元へ赴きます。

ラグナロクの開始とともに、ロキは積年のライバルであるヘイムダルと死闘を繰り広げました。

死者を運ぶ途中でヘイムダルに出会うヴァルキュリヤたち(ローランス・フレーリク、1906年)

まとめ

旅の同行者として度々行動を共にした雷神トールとは対象的に、複雑な性格の持ち主として紹介される悪神ロキ。

北欧神話に予想外の展開や驚きを与えたロキは、トリックスターの代名詞として有名になりました。

そのキャラクター性の高さから、多くのゲームでも様々な性格や役割を持って登場しています。

恐らく、一本調子ではない彼の人間的な割り切れなさが、これほどまでロキに心を引かれさせる要因になっているのでしょう。

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