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神話・伝説に登場する中二心をくすぐる武器三選

『Cuchulain in Battle』, J. C. Leyendecker, 1911年
『Cuchulain in Battle』, J. C. Leyendecker, 1911年

世界各地の神話の中には様々な武器防具が登場します。

これは多くの神話や伝説において、戦いの記述が出てくるからです。

勧善懲悪が分かりやすく、特定の神や英雄が悪と対峙する図式が明確になっているからとも言えます。

今回はその中で中二心をくすぐるようなディティールを持った武器を3つ紹介してみたいと思います。

ケルト神話のクー・フーリンが使用するゲイボルグ

一昔前と違いマイナーだった神話も今では認知されてきています。

ケルト神話はその代表格で、ゲームや書籍を通じて日本でも大分広まりました。

最初に紹介する武器ゲイボルグは、ケルト神話に登場する強力な槍です。

元は海獣の骨を使用してボルグと言う人物が作り上げた槍になります。

それを時の支配者に献上した後あまたの人の手を渡り歩き、スカアハと言う名の戦の女神の元に行きつきます。

その後クー・フーリンの父親に譲渡され手直しを施した後に、息子のクー・フーリンが所有する事となります。

チャリオットに乗り戦いに挑むクー・フーリン
チャリオットに乗り戦いに挑むクー・フーリン 『Cuchulain in Battle』, J. C. Leyendecker, 1911年

ゲイボルグの名前の意味は直訳すると、「ボルグが作った槍」となります。

この槍のすごい所は、投擲すると必ず狙った敵に突き刺さると言う点です。

現代風にイメージすると、センサーでもついていたかのような描写ですね。

さらに突き刺さった後は槍の本体から無数の棘が飛び出し敵を体内からズタズタにしたり、中空に向けて投げると刃が無数に枝分かれして敵陣に降り注いだり、もはや無敵の武器です。

ゲイボルグにつけられた傷は絶対に癒える事はなく死に至るとも言われています。

多くの神話で有名な武器の大半は剣であるにも関わらず、槍がクローズアップされているのも注目ポイントです。

一説には、クー・フーリンはゲイボルグを「足を使って投げていた」とも言われ、現代的な解釈で見ると敵側からの新しい戦闘技法に対する描写が誇張されたのかもしれません。

ここに登場したクー・フーリンやスカアハなど、ケルト神話に登場する人物はその背景も興味深い物ばかりですので、またの機会にご紹介したいと思います。

世界を焼き尽くす炎の剣レーヴァテイン

名前の響きがかっこいいレーヴァテインは知ってる人も多いかと思います。

北欧神話に登場するこの炎の剣、知名度とは裏腹にその詳細は大雑把なのです。

初期に至っては剣なのかどうかも明記されていませんが、これは後世の伝聞やイメージに左右された結果でしょうか。

今では殆どの作品の中で剣として登場します。

レーヴァティンを所有して猛威を振るったのはスルトと呼ばれる巨人ですが、実はエッダと呼ばれる伝記物にはスルトの妻が所有している事になっています。

炎の剣を持つスルト
炎の剣を持つスルト(John Charles Dollman)

スピヴバルドと言う名の主人公が意中の女性を探し求める旅路の中で、なぞかけの一端としてレーヴァテインは登場します。

この女性に会うにはビゾフニルと言う雄鶏を殺す必要がある、それにはレーヴァテインが必要、しかしレーヴァテインを手に入れるにはビゾフニルの羽が必要と堂々巡りになる話なのです。

この他にも北欧神話にはラグナロク(神々の黄昏)と呼ばれる最終戦争が勃発し、そこでスルトは剣から発する炎で世界を焼き尽くすとあります。

後世になるとこの剣がレーヴァテインの事を指しているのでは?と言う見方が強くなります。

妻が所有している剣ですから、その旦那が使用してもおかしくはないと言う観点です。

一振りで強力な炎を出す事が出来るこの剣は、北欧神話の中でもかなり強い武器として認知されており、神々を殺せる武器とも言われています。

メディアに登場する際には常に剣身に炎をまとい、いかにも火属性と言ったイメージで描かれています。

この剣を使用するスルトはレーヴァテインのネーミングセンスとはかけ離れた悪の巨人となっていますが、その響きのみならず剣が炎を発すると言う点は中二心をくすぐる武器のパイオニアではないでしょうか。

破壊の神シヴァが持つ三叉の槍トリシューラ

トリシューラを持ったシヴァ像
トリシューラを持ったシヴァ像(『Statue of Lord Shiva』photo taken by Deepak wikipediaより)

ヒンズー教の主神の一人シヴァが持つとされる三又の槍がトリシューラです。

時にピナーカとも呼ばれる事もありますが、最近の研究だとこちらは弓の様ですね。

トリシューラの形状は槍の穂先が三つに分かれています。

これは古来よりヒンドゥー語でトリは「3」を示し、シューラが「槍」を指していました。そのまま合わせて三叉戟=トリシューラと言うわけです。

よくよく日本語風に解釈して考えるとそのまま「三又の槍」とよばれている事になるわけですが、我々からするとトリシューラと言う響きがカッコイイですね。

この3と言う数も重要で、トリシューラの穂先は知恵、行い、愛を示しているとも。

このあたりが神話ならではの戒訓を盛り込ませた感じがします。

ちなみに戟(げき)と言うのは、槍と良く似た長い棒状の先端に刃がついている武器の事です。

興味深いのは、ギリシャ神話のポセイドンも似たような武器を所有している点ですね。

インドと言う場所がらヨーロッパからの文化の流入や、その逆でディティールが伝達した可能性もありそうです。

ヒンズー教の神様はその描写が他の神話の神様より際立って強力に描かれていて、シヴァ神も漏れなく規格外です。

歴史も古く、三柱の神様の一端を担うほどです。

時に乱暴な性悪が描写されていたり、慈愛に溢れた神様だとする信仰もあったりと、実に多面的な神様です。

そんな神性が前面に出ているシヴァ神ですので、実はトリシューラに関する記述はそんなに多くはありません。

象徴的な意味合いや儀式に関するデイティールが多いですが、なにせ破壊の神が持つ槍と言う事で、もし戦いに使用したとすると強大な力を発揮するのではないでしょうか。

余談ですがこのシヴァ神、日本に伝来してくると我々の身近な神様「大黒天」としてまつられます。

商売の神様としての側面が強い七福神の一柱ですが、元々は古い歴史があり、時に破壊の神様と言うのが面白いですね。

 

いかがでしたでしょうか。

今回は世界の神話に登場する伝説の武器の中から、代表的な3つをピックアップしてみました。

いずれも興味深い武器ですよね。

もはや兵器とすら感じてしまう強力な描写が多いです。

今回ご紹介したほかにも、世界中にはかっこよくて強力な武器が多く存在します。

また機会があれば選りすぐって書いていきたいと思います!

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