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テンプル騎士団は実は滅んでいない?消えたはずの騎士団の「後継者」を名乗る団体がヨーロッパ史を動かし続けているという伝説!?

聖ヨハネ騎士団、ドイツ騎士団と並んで、「ヨーロッパ三大騎士団」のひとつに数えられる、テンプル騎士団。

騎士団そのものは14世紀にフランス王の陰謀によって壊滅させられてしまい、騎士団長は火刑に処されてしまいました。

ところがその後のヨーロッパには、何度も「テンプル騎士団の後継」を自称する人物や集団が現れることになります。

現代も活動を続けているあの有名な国際組織も、「テンプル騎士団の意志を継ぐ団体である」という都市伝説が付きまとっているくらいなのです!

人々がテンプル騎士団に憧れる理由:まさに「騎士らしい」騎士の集団だから!

どうして人々はいつの時代にもテンプル騎士団に惹かれるのでしょうか?

それはなんといっても、彼らがもっているイメージが格好いいからでしょう。

彼らのイメージは、まさに我々が空想する「ヨーロッパの騎士」にかなり近いスタイルになっているのです。

たとえば「中世ヨーロッパの騎士のことを知りたい」と思って図書館などで専門の歴史書を閲覧してみても、存外にガサツで横暴なエピソードばかりが出てきたりして、がっかりすることが多いです。

しかしテンプル騎士団のことを調べると、だいたいイメージ通りの人たちだと説明されるので、安心できます。

ざっとその特徴をあげると、

    • 肉体的な意味だけでなく、魂の力でもすぐれた戦士でなければならないとされていた
    • 朝の祈祷を含め、キリスト教徒としての生活習慣として一日八回の祈祷を守らねばならないとされていた
    • 肉食は基本的に週に三回以内、あとは粗食とすべしとされていた
    • 異性との関係を持つことは禁止、女性の顔をまっすぐに見ること自体禁止、恋愛はもってのほかとされていた

などなど。つまりは規則でガチガチの集団。

もともとテンプル騎士団とは身分的には「修道士」と規定されているので、聖職者ばりの高い規律が求められていたわけです。

「貴婦人との恋愛を楽しんでこそ騎士らしい喜び」などと構えているところもある中世の粗暴な騎士世界の中で、この禁欲主義が(全員が守れていたかは別として)徹底的に叩き込まれていたという点で、テンプル騎士団は日本人が想像する「自分に厳しく、行いも清らかな騎士」というイメージにかなり近いのではないでしょうか。

もっと大事な点ですが、このように規律でガチガチに統率されている集団ということは、当然、戦闘力もきわめて高かったわけです。

中世の普通の騎士というのは、戦争に出ても自分の手柄を求めて命令違反ばかりするし、平気で裏切りもするわけで、どうにも近代的な軍事集団とはいえない野蛮な集団だったものと推測されます。

いっぽうで、テンプル騎士団はとてもよく統制されていた為、破格の強さだったようです。

とりわけイスラム教徒の戦いにおいては、「キリスト教世界の先兵」という意識が強いため、死を恐れないところがある。

テンプル騎士団の戦いぶりは「むしろ死に場所を求めている」かのような苛烈さがあったとか。

このあたりは、なんとなく日本の武士集団に似ている雰囲気があるかもしれません。

その滅亡後に現れた数々の「後継者」たち!

冒頭で述べたように、テンプル騎士団は14世紀にフランス王によって突如弾圧され、組織は壊滅してしまいます。

かつてあれほど勇猛果敢にキリスト教世界の前線で戦った騎士団を、用済みとばかりに逮捕粛清してしまったフランス王の手腕には悪寒を覚えるほどの残酷さがあり、歴史家もこの事件をもって「中世の終わり」「(絶対君主制という)近世のはじまり」とみているようです。

ですがあれほど栄華を誇ったテンプル騎士団の影響が、そう簡単に消えるわけはありませんでした。

特にフランス以外の諸国は、そもそもフランス国王の弾圧に批判的であったため、形だけの逮捕や調査はしたものの、なんだかんだテンプル騎士団には逃げ道を準備してあげていた様子があります。

それゆえフランス以外の諸国では、テンプル騎士団の「残党」は何らかの形で生き残り、それが後世にさまざまな「伝説」をもたらすことになりました。

真偽はともかくとしても、フランス以外の国であれば、「我々は実はテンプル騎士団の残党で、14世紀の事件の際に一時的に世間から身を隠していたのだ」と言いやすくなった、というところです。

出自の確かなところでは、ポルトガルの「キリスト騎士団」があります。

これは言ってみれば「ポルトガル王公認のテンプル騎士団の残党組織」というところ。

テンプル騎士団ポルトガル支部の騎士たちが行き場をなくしているのを「もったいない」と見たポルトガル王が、彼らをそのまま雇い入れ、名前を変えて、ポルトガルの騎士団として蘇らせたのでした。

キリスト騎士団はかつてのようにイスラム教徒たちとの戦闘に駆り出されたりしましたが、より重要なことは、大航海時代の英雄たち、エンリケ航海王子、ヴァスコ・ダ・ガマ、コロンブスらも、この「キリスト騎士団」の資金提供を受けて航海準備をしたり、「キリスト騎士団長」の肩書をつけてもらったり、はてはキリスト騎士団所属の騎士を戦力として同船させていたりしたということ。

中世のテンプル騎士団の威光は、近世の新大陸発見のための原動力として、再びヨーロッパの歴史を動かした、といえるのです。

現代のあの国際的組織もテンプル騎士団の後継?もっともこの辺りはいろいろアヤしい話になり・・・

そしてもうひとつ、出自の不確かなところでは、いわゆる「フリーメイソン」もまたテンプル騎士団の後継団体である、という都市伝説をあげておきましょうか。

こちらは歴史的な根拠は乏しく、当のフリーメイソンの中でも主張をしているのはあくまで一派ということです。

しかし「現代においては、テンプル騎士団は今度はフリーメイソンに入り込んで、いまだにヨーロッパの政治を動かしているのだ」という話は納得感があるらしく、打ち消しても打ち消しても復活する伝説となっているようです。

もっとも、このような「テンプル騎士団の後継」を名乗る団体を調べると、最近では、正直なところ怪しげな新興宗教やカルト団体にぶつかるばかり。

なんであれ「われこそはテンプル騎士団の後継なり」と現代で主張しているような方々がいたら、残念ながら最初から疑ってかかったほうが安全な模様です。

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