【アーサーの一族】ルキウス・アルトリウス・カストゥス

アーサー王
  • 類別:アーサーの一族
  • アーサーとの関係:アーサーのモデル?

ベイドン山の戦いを実際に指揮したといわれる、 半史実上の人物。その素性は謎に包まれている。

謎だらけの軍隊指揮者「ルキウス・アルトリウス・カストゥス」

ユリウス・カエサルが紀元前55年から遠征を行った結果、現在のグレート・ブリテン島の大部分はローマの属州となり、「ブリタニア」と呼ばれるようになった。

これをきっかけにローマ人が多数ブリタニアに渡り、地元のケルト系のブリトン人とともにこの地で生活するようになった。

ローマ帝国の衰えとともに、ブリタニアの政情も不安定となり、西からはアイルランド人、東からはサクソン人が侵略を試みるようになる。

これに対し、ローマ・ ブリトン側は結束し、500年頃にベイドン山の戦いでサクソン人の進入を撃退した。

この事実がそれから約50年後に、ギルダスという人物によって記録されている。

この記録には軍隊指揮者の名が記されていないが、後の研究者は彼を、ルキウス・アルトリウス・カストゥスという名の人物であったとするようになったのだ。

アルトリウスは単に「ブリトン人の軍隊の指揮者」であっただけで、王であったと明記されているわけではない。

名前が完全にローマ系なので、どちらかというと現地に残存していたローマ人、または混血の専業軍人であった可能性が高い。

ギルダスはその記録の中に、「熊の乗る戦車が戦場を駆けめぐった」と記している。

ラテン語で熊は「artos」であり、これが変化して「arthur」になったのではないかともいわれる。

ベイドン山の戦いの指揮者の名を「アーサー」であるとしたのは、9世紀のウェールズ出身の僧であるネンニウスからである。

2004年の映画「キング・アーサー」は、この「アーサー=アルトリウス」説を土台にしている。

また、ゲームの「Fate」シリーズも、この説を土台にしているようである。

ちなみに、ラテン語の単語は語尾で男性・女性を区別できるようになっている。

男性名詞の主格語尾は「-us」だが、女性名詞の場合「-a」になる。

従ってアルトリウスを女性化すると「アルトリア」になるのだ。

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