- 類別:アーサーの一族
- アーサーとの関係:義姉
義弟アーサーを憎み、何かというと邪魔をするキャラクター。しかしその原型は、ケルトの女神だったりする。
王に対立する魔法使い「モルガン・ル・フェイ」
古代ケルト人の国家は、世俗権力を握る王と、宗教面での主催者である僧侶(ドルイド)によって運営されていた。
この史実を背景にしていたため、アーサー王物語には魔法使いマーリンが登場するのだが、よく見るとマーリンが活躍するのは前半部だけで、聖杯探索をアーサーに進言した後はまったく出てこない。
このマーリンの役割を受け継いだのが、「湖の貴婦人」ことヴィヴィアンであり、アーサーの義姉の1人であるモルガン・ル・フェイなのだ。
ヴィヴィアンは主としてマーリンの「王の助力者」としての立場を継承しているが、モルガンの場合「王に対立する魔法使い」としての性格を持っている。
つまり、マーリンを「白の魔法使い」と呼ぶとすると「黒の魔法使い」の役割を担わされることになるのだ。
だからモルガンは、マーリンがまだ存在する間も、アーサー及びマーリンの足を引っ張る存在としてしばしば登場する。
モルガンが「女性」であるのも、マーリンが「男性」であったためだ。
ただし、「モルガン=黒マーリン」だとはっきり描き分けられているわけではなく、文献によっては本来ヴィヴィアンのものであったとされる役割が、モルガンにも担わされていることがある。
アーサーは最後の戦いの後、「湖の貴婦人」によってアヴァロンの島に連れ去られる。
この「湖の貴婦人」は通常ヴィヴィアンとされるが、モルガンであるとする説もあるのだ。
なお、王の側に立つ魔法使いとしてのモルガンの起源はかなり古く、ケルト神話で英雄クー・フーリンの師匠となった女神スカアハなどに求める研究者もいる。
スカアハがクー・フーリンに魔槍ゲイ・ボルグを与えているが、これは「湖の貴婦人」としてのモルガンがアーサーにエクスカリバーを与えたことにつながっている、とされている。
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