【円卓の騎士】ベンウィックのバン王の子:エクトール・ド・マリス

アーサー王
  • 種別:円卓の騎士
  • 親族関係:ランスロットの義弟

とにかく兄を慕うランスロットの義弟。行方不明の兄を探すために、7年も放浪したその根性に脱帽。

ランスロットを慕う円卓の騎士「エクトール・ド・マリス」

ランスロットの父であるベンウィックのバン王が不倫して生まれた子。

つまりランスロットの異母弟。

ランスロット父子が2代続けて不倫する「騎士道エリート」の家系であったことは、ここでは深く突っ込まないことにする。

一応彼も「すぐれた騎士である」とはされているのだが、義兄ランスロットが顔・武技・騎士道精神すべてにおいてずば抜けているので、それと比べるとB級のそしりを免れないのだ。

ある時彼は、見知らぬ騎士と試合をして敗れる。

戦いが終わった後、相手の騎士の名を問うと、その騎士は「コンウォールのものだ」とだけ答えた。

この物語の舞台においては、コンウォールというのは弱兵の産地として有名であった。

そのコンウォールの騎士にさえ自分の力が及ばなかったと思い知らされたエクトールは、身につけた鎧をすべて脱ぎ捨てて全裸になり、馬もその場に置き去りにして歩いて去っていったという。

実はこの「コンウォールの騎士」の正体はトリスタンであったため、負けたとしてもさほど恥辱に感じる必要はなかったという落ちがついている。

エクトール本人は、やがてパーシヴァルと一騎打ちを演じて引き分けているのだから、円卓の騎士全体の中では結構強い方なのではないかと思われる。

だが、自分ではどうもそう思ってはいなかったようだ。

「さほど強くないのだ」という自分をわきまえていたせいか、彼はとにかく自分の義兄であるランスロットを立てた。

ランスロットが行方不明になった時には、自分の妻子も捨ててヨーロッパ中をかけずり回り、義兄の行方を捜した。

しかし、その兄に巡り会えたのは、ランスロット本人が死んだ後のことであった。

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