私たちが「イギリス」と呼んでいる国は、実際は四つの国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)の連合国家。
昔はなじみの薄かったこれらの「イギリスの中の小国」も、最近のサッカーやラグビーの国際試合で、「ウェールズ代表チーム」や「スコットランド代表チーム」等が活躍するようになってきたので、だいぶ日本でも知名度があがってきたようですね。
そのうちのひとつ、ウェールズの地元ニュースサイトを見ていて、とんでもない記事を見つけてしまいました。
21世紀の今日に、伝説の魔物「サキュバス」が現れ、大暴れをしているというのです!
詳しく、お話しますね。
Contents
おさらい:ゲームやアニメのキャラでおなじみ「サキュバス」

サキュバスについて、簡単に解説しましょう。
- 古くから西欧に伝わる女性の魔物である
- 美女の姿をとって男性に淫らな行為を迫る
- 虜になった男性は、殺されたり、地獄に落ちたり、単純に体調が悪くなったり…とにかくよい結果にはならない
- キリスト教圏では特に「正しい道に進もうとする男性を誘惑してくる悪魔」として恐れられた
キリスト教の信仰にとって肉欲はそもそも忌むべきものである上、昔のヨーロッパでは性病のリスクも高かったでしょうから、こういう悪魔はそうとうに厄介な人類の敵として、嫌われていたことでしょう。
ですが正直なところ、「美女の姿をとる悪魔」というのは、現代のメディアにとっては実に都合のよい設定です。
別名の「リリス」という呼び名でのキャラ化をも含めると、ざっと思いつくだけでも、モンスト、パズドラ、格闘ゲームのヴァンパイアシリーズと、いろんなゲームにこのモンスターが登場しています。
もはや現代サブカルの定番キャラといってもよいのでは?
ホンモノのサキュバスに襲われたという証言が!

ところがです、この21世紀の現代に、「サキュバスに襲撃された!」という重大な証言がウェールズにて報道されました。
「Randy ghosts prowling Welsh highways to seduce drivers, paranormal author claims」
この記事によると、経緯は以下の通りです。
- 被害者ジョンさん(男性)は、その日、森林地帯を貫く道路をドライブしていた
- 路肩に美女が立っていて、ヒッチハイクのサインを出していた
- 乗せてあげると、いろいろと積極的な女性で、まあ、ジョンさんも意気投合して、その気になっちゃった
- 森の中の寂しい路肩に車を停めた
- うっとりと目を閉じたジョンさん
- でもなんだか、この美女の体臭、焦げくさいような変な匂いだな、と気づき目を開けた
- 美女だと思って抱きしめていたものは、しわくちゃの醜悪なバケモノに変わっていた
- 悲鳴をあげるジョンさんの前で、その姿はすうっと消えてしまった
「オラ、おったまげただよ!ありゃあ伝説のサキュバスに違いねえずら!」
といまだに震えの止まらないジョンさん。
※ちなみにジョンさんの言葉遣いは本稿のライターの想像です、あしからず。
マジメにこの事件を考察
さて、この記事ですが。
本稿のライターである私も含めて、サブカルに強い人は「ン?」と気になるところのある証言ですね。
2つ、気づく点があります。
- 前半の展開が、アメリカとメキシコで大流行したことのある都市伝説、「消える美女ヒッチハイカー」のアウトラインに酷似している点(もっとも、アメリカの美女ヒッチハイカーは、いつのまにか後部座席から消えるだけで、グイグイ誘惑してくることはありませんが)
- 後半の展開、「美女と思って目を閉じて抱いてみて、目を開けてみると、あざ笑う醜悪なモンスターに変わっていた」は、スタンリー・キューブリック監督の有名なホラー映画『シャイニング』のクライマックスの展開そのままという点
これがあるのでサブカル好きほど、「この展開、ンー?」と思ってしまうところですが、どうもこういう話の常で、
「俺もやられた!」
「僕もやられた!」
という後続の被害情報が相次ぎ、地元ニュースも無視できなくなった次第。
日本人の感覚からすると、「前後の経緯を考えると自業自得なところもあるので、本当だとしても僕だったら恥ずかしくて名乗り出ないなー」とも思ったりもしますが。
ともあれ、ウェールズ男性たちを悩ますこのサキュバス騒動、被害といっても「脅かされた」だけで、ケガ人も死者も出ていない話なのは、まずはヨカッタ。
しかも同サイトを追っていても、この話題自体がすぐに忘れられた模様です。
けっきょくなんだったのやら。
まとめ:サキュバスに会いたいならココへ行こう!
それにしても、日本ではすっかりキャラクター商品化しているサキュバスが、ご当地では都市伝説のモンスターとして現代でもちゃんと恐れられている、というところに、なんだか面白さを感じます!
このサキュバスが出たのは、ウェールズのスウォンジーという地方都市の郊外の森林地帯とのことです。
リアル・サキュバスに会いたい、という方は、海外旅行としてウェールズに出かけて、このあたりの地域をレンタカーでドライブしてみると、エンカウントできるかもしれません!
え?
最後に醜悪なバケモノに変わるのはイヤだ?
イメージしていたサキュバスと違う?
うーむ、それはたしかに……。
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