ディズニー映画モアナと伝説の海|ポリネシアの英雄マウイ

美しい島

2017年に公開されたディズニーアニメ映画『モアナと伝説の海』。

舞台は2千年前の古代南太平洋、はるか昔の海洋冒険物語です。

そして、この作品に登場する青年マウイは、もともと南太平洋の国々で有名な、半神半人の英雄なんです。

それでは、映画『モアナと伝説の海』と合わせて、伝説の英雄マウイについて詳しくご紹介します。

伝説の英雄マウイが登場する、ディズニー映画『モアナと伝説の海』とは?

ディズニーの長編アニメ第56作目『モアナと伝説の海』。

本作のプリンセスであるポリネシアンの少女・モアナは、情熱的に夢を追う、負けず嫌いな女の子。

古代南太平洋を舞台に、ヒロイン・モアナは、半神半人の青年・マウイと出会い、ともに民話に伝わる島々を探しに行く旅をします。

巨大海洋生物が登場したり、死者の世界で古代人と交流したり……という、とても神秘的なストーリーです。

さて、このヒロインと旅をともにする青年・マウイはもともと、南太平洋の地域ではとても有名な伝説上の英雄なんです。

ハワイ諸島の中にも「マウイ島」という島がありますよね。

マウイの名は、ニュージーランドからハワイまで、神話として昔から広く伝わっているんです。

神様と人間のハーフで、怪力の持ち主のマウイ。

彼は伝説上、どんな人物なのでしょうか? 南太平洋を代表する伝説の英雄マウイについて、調べてみました!

伝説の英雄マウイとは? その能力や成しとげた偉業とは?

マウイは「ヒナ」という月の女神の子どもで、たくさんの兄弟の末っ子でした。

年が上の兄たちに子ども扱いされいじめられたり、その上、里子に出されたり……と、あまり恵まれた少年時代ではなかったのです。

しかし、成長したマウイは、数々の能力と人間を超えた知恵をもち、多くの偉業を成しとげました。

ご紹介しましょう。

勝負事に強い

怪力の持ち主で、矢を投げれば誰よりも遠くへ飛ばし、凧をあげれば誰よりも空高くの風に乗せ、魚を釣れば他の兄弟たちがほとんど釣れないような日でも、大きなかごをいっぱいにして帰ってきたそうです。

島を釣り上げる!?

南太平洋には、大小さまざまな、たくさんの島が存在します。

伝説によると、マウイはたくさんの南太平洋の島を「釣り上げた」そうで、中でもニュージーランドの北島が、マウイが釣り上げた一番大きい島です。

変身もできる!

マウイは「ケレル」という鳥に姿を変えることができました。

ケレルは、実際に生息する野鳥で、英語ではニュージーランド・ピジョン(またはウッド・ピジョン)も呼ばれています。

その名の通り、ニュージーランドの森だけに生息するハト。

全長50センチほどで日本でみる土鳩の2倍くらいのサイズで、鳴き声想像以上にも大きいそうです。

映画『モアナと伝説の海』の中でも、マウイが、鳥やその他の動物などに変身する力を発揮して、モアナの冒険を助けるというエピソードがあります。

伝説の英雄マウイのおかげで、人間の生活にも変化が

半神半人という、神と人間の間の存在であるマウイは、とても親しまれた存在で、南太平洋の国々では、多くの人が子ども頃からその伝説を聞かされて育つそうです。

「マウイが人間のためにも、尽力してくれた」というエピソードもいろいろあるので、いくつかご紹介します。

太陽を制御!

かつて太陽は動きがあまりに速く通り過ぎるので、1日がすぐ終わってしまい、マウイの母・ヒナも、人間たちも、とても困っていました。

そこでマウイは、山の火口に潜んで、太陽が昇ってくると同時に組み伏せてしまいます。

マウイは太陽に「今後ゆっくりと空を移動する」と誓わせました。

それからは日中が長くなり、人間は仕事も生活もしやすく、幸せになったそうです。

人間のために火を手に入れた

人間がまだ火を使っていない頃のことです。

マウイは、ある日、山に住むアラエという種類の鳥が、火を使っていることに気づきました。

マウイは、火を隠そうとするアラエを捕まえ、乾燥した木をこすり合わせて火を起こす、という秘密を白状させました。

そしてマウイは、その知恵を人間に授けました。

火は生活の営みの基本ですよね。

このように人々の暮らしのために尽力したマウイは、南太平洋の島々で英雄として愛されているんです。

伝説の英雄マウイには、ブラックな一面も

子ども時代の逆境を反動に、気は優しくて力持ち、その上賢く人間にも親切、という素敵な半神半人のマウイですが、ブラックな一面もあるようです。

マウイにはイアオという美しい娘がいましたが、娘に恋人ができたことに腹を立て、その恋人の男を殺そうとしました。

そこで、イアオが恋人の命乞いをすると「よし、わかった」と答えながら、なんと男を岩に変えてしまいます。

そして「これでいつでも彼の姿を見ることができるだろう!」と、言い捨てた…という伝説もあります。

半神半人のマウイ。

こういうちょっと怖い面に、人間離れしたところを感じませんか?

ちなみに、男が変えられた岩は、西マウイにある「イアオ・ニードル」のことだといわれています。

まとめ

いかがでしたか?

南太平洋に広く伝わる英雄「マウイ」。

言い伝えにはいろんな説がありますから、マウイについて、これとは少し違った逸話も耳にするかもしれませんね。

しかし「数々の偉業を成しとげた英雄」という人物像は、どこでも概ね共通しているようです。

ちなみに映画『モアナと伝説の海』では、マウイはかなりガタイのいい、愛きょうたっぷりのキャラクターとして描かれています。

美しい南大西洋を舞台に、美少女モアナと伝説の英雄マウイが織りなす、海洋冒険物語。

そしてこの冒険の旅には、かわいいブタの「プア」も同行しています。

ディズニー作品『モアナと伝説の海』を未見の方は、上記のモアナの伝説を思い出しながら、ご覧になってみてください!

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