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ドッペルゲンガーに遭遇した有名人!ドッペルゲンガーの正体は!?

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ How They Met Themselves
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ How They Met Themselves、水彩、1860-64年

「自分のそっくりさんは世界で3人はいる」という迷信を聞いたことがありませんか?

自分のそっくりさん、他人の空似なら驚くだけで終わりますが、

「見ると命を落とす」そっくりさんもいます。

それが、ドッペルゲンガーです。

自分の分身に遭遇する…世界中で体験者や目撃者がいるものの、謎の多い超常現象です。

本稿では、実際に体験した著名人のエピソードをまじえて、ドッペルゲンガーとは何かを解説します!

ドッペルゲンガーとは何か

ドッペルゲンガーとは簡単に言うと『自分自身の分身に遭遇する現象』『第三者が分身を目撃する』現象のことを言います。

「ドッペル」は元々ドイツ語で「生霊」「コピー」という意味を持っており、「ドッペルゲンガー」は「二重に歩くもの」という意味です。

ドッペルゲンガーそのものは近年だけの現象ではなく、古くは古代から伝承や民話、神話などの形で伝えられてきました。

ヨーロッパだけでなく日本や中国でも、離魂、影法師、分身、影の病…などと呼ばれ、死の前兆の怪異として扱われてきました。

ドッペルゲンガーの体験談、目撃談は様々ですが特徴として挙げられるものは

  • 本人が行った場所にしか現れない
  • 一切しゃべらない
  • 割と至近距離で現れる
  • 動かない。動いても歩くくらいの簡単な動作しかしない

以上の4点です。

よく「同じ人物が複数の場所に出現する」といった意味で超常現象のバイロケーションと混合されることがありますが、バイロケーションは「自身の意志がある程度反映され、会話も可能」なのに対しドッペルゲンガーの場合は「自身の意思とは関係なく出現し、会話はできない」という違いがあります。

ドッペルゲンガーの体験談として挙げられているものの中には、バイロケーションではないかと思われるものもあります。

ドッペルゲンガーを見た有名人

このドッペルゲンガー現象が多くの体験談が残されていますが、歴史上に名前を残している有名人の逸話にもそれを見ることが出来ます。

エリザベス1世

『Queen Elizabeth I(エリザベス女王1世)』(Crispijn de Passe the Elder (クリスピン・ファン・ドゥ・パス画)
『Queen Elizabeth I(エリザベス女王1世)』(Crispijn de Passe the Elder (クリスピン・ファン・ドゥ・パス画)、原典

1558年から1603年までイギリスを統治していた女王。

未婚を貫いたストイックな生き方と女だてらに長期に渡ってイギリスを治めた辣腕ぶりに目がいきますが、彼女は晩年、自分のドッペルゲンガーを目撃しています。

「幽霊のような自分が、身動きもせずにベッドに横たわっていた」というのです。

この頃、エリザベス1世は随分と年も取っていたので、今でいうところのボケがあったのかもしれませんが、この目撃から間もなく69歳で亡くなっています。

もしかしたら、本当にドッペルゲンガーに遭遇した可能性も…?

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

Faust(ファウスト)
『Faust(ファウスト)』(Eugène Delacroix(ウジェーヌ・ドラクロワ画)、原典

詩人、劇作家、政治家、自然科学者…と様々な顔を持つゲーテ。

『ファウスト』の作者と言うと分かりやすいでしょうか。

彼のドッペルゲンガー体験談は非常に変わっています。

ある日ゲーテは田舎道を馬にまたがり歩いていました。

すると自分の正面から同じように馬に乗った人が歩いてきます。

なんだか見た事がある人だなぁ…と思っていたら、それはまさに「自分自身」だったのです。

でも服が違うぞ!と思って振り返ったら、その男は消えてしまっていました。

それから8年後、同じ道を馬に乗って歩いていると正面から男が馬に乗って歩いてきました。

その人物は、あの日の服を着た自分自身だったのです…

パーシー・ビッシュ・シェリー

19世紀初頭のイギリスで活躍した詩人。

女性相手にかなり破天荒な生き方をした人で、ゴシック小説『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーの夫でもあります。

彼は1812年の水難事故で亡くなりますが、その少し前に「自分の分身を見た」と妻のメアリーに何度も打ち明けています。

また、彼の友人もシェリーがよく散歩をしているコースでシェリーの分身を見たと言っていました。

シェリー自身が分身に話しかけられたという話もあるので、厳密にドッペルゲンガー現象と分類して良いかは迷うところですが、目撃の後に亡くなっているので、もしかしたら…という可能性がありますね。

エイブラハム・リンカーン

Abraham Lincoln(エイブラハム・リンカーン)Anthony Berger(アンソニー・バーガー)
『Abraham Lincoln(エイブラハム・リンカーン)』(Anthony Berger(アンソニー・バーガー)、原典

奴隷解放の父、アメリカ合衆国16代目大統領として世界的に有名な人物ですが、自身の超常現象体験を多く語って後世に残しています。

ある日リンカーンはソファに座って、なんとなく鏡に目を向けました。

すると鏡には青白い亡霊のような自分がじっと鏡の中から見つめていました。

びっくりしたリンカーンはソファから飛び上がると亡霊はすっと消えてしまいます。

しかしソファに座ると再び現れたのです。

妻のメアリーは「悪いことが起きそうで怖い」と怯えました。

その後もリンカーンは何度もソファに横たわったりして亡霊が現れないか試しましたが、それ以来見ることは無かったそうです。

しかし、その後リンカーンは「夢で自分の葬式を見た」と語っています。

そして1865年4月14日、リンカーンは暗殺されました。

芥川龍之介

『羅生門』『蜘蛛の糸』などで有名な日本の小説家。

彼がある座談会に参加した時に「自分のドッペルゲンガーに遭遇した事はありますか?」と質問されました。

芥川は「あります。一度は帝劇(帝国劇場)に、二度目は銀座に現れました」と質問に答えました。

それって人違いや見間違いでは?という返しに対して「そう思えればいいんですけど、なかなかそうも言い切れない事があるのです」と曖昧な回答をしています。

その後、1927年7月24日、服毒自殺で死去。

服用した薬物が何かは諸説ありますが、以前から睡眠薬の飲み過ぎでベロベロな状態になっていたという話も残っています。

エミリー・サジェ

19世紀半ばにラトビアで教師をしていた女性です。

上記の人物たちとは異なり、偉業を成し遂げた人物ではありませんが、ドッペルゲンガーの体験談の中で最も有名な例として取り上げられる人物です。

彼女の分身は多くの生徒たちが目撃しています。

黒板に板書をしている時、食事をしている時、鏡の中…等々。

中でも不思議なのは、42人もの生徒が目撃した分身の話です。

生徒がいる教室にエミリーがいて、窓の外の花壇にもエミリーがいたというのです。

勇気を出して生徒が花壇のそばのエミリーに触れてみると、布を触ったような感触があり手応えがありませんでした。

やがて教室のエミリーが消えて花壇の方のエミリーが動いたため、花壇に居た方が本物と分かったという出来事です。

このような出来事が多発しますが、エミリー自身は分身が見えない上に実感はまるでありません。

彼女は優秀な教師でしたが、父兄や学校から気味悪がられて仕事が出来なくなってしまいました。

この例はドッペルゲンガーの具体例として取り上げられますが、どちらかと言うとバイロケーションに近いものとして扱われます。

ドッペルゲンガーとは何なのか

様々なドッペルゲンガーの目撃、体験談を見てきましたが、実際のところドッペルゲンガーの正体は何なのでしょうか?

脳腫瘍のせい

1996年にスイスの医師のところに「ドッペルゲンガーを見た」という男性が運ばれてきました。

男性は寝起きに自身の分身を目撃して、その後激しい頭痛に襲われました。

検査の結果、頭痛の原因は側頭葉と頭頂葉の境界領域に出来た脳腫瘍が原因でした。

手術をしてみたら、それ以降彼はドッペルゲンガーを見ることが無くなったそうです。

このような病気の症状の一つに「ものが二重に見える」というものがあります。

また、脳の側頭葉と頭頂葉の辺りと言うのは体のイメージを司る場所でもありますので、そこにトラブルが起きると分身を見たというような錯覚を体験することが多いそうです。

芥川龍之介、リンカーンは頭痛持ちだったと言いますので、もしかしたら脳腫瘍が原因だったのかもしれません。

しかし、芥川は自殺。リンカーンは暗殺というなんとも惨い死に方をしていますので、調査のしようがないというのが残念なところです。

精神的な病

精神的に不安定な状態でいた時に幻覚を見てしまったというのも充分に考えられます。

エリザベス1世はドッペルゲンガーに遭遇した当時、多くの友人を亡くし鬱病のような状態にあったと言います。

女王という多忙な職務から、常人では考えられないほどのストレスも溜まっていたことでしょう。

60代後半という高齢でもありましたから、不安感やストレスからありもしない幻覚を見てしまったというのも考えられます。

未来の自分

未来の自分がタイムトラベルして現れたという説です。

ゲーテの体験談はこれに当てはまります。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中で、「未来や過去の自分と鉢合わせするとタイムパラドックスが起きて消滅してしまう」という設定があります。

「ドッペルゲンガーを目撃すると死ぬ」というのは、タイムトラベル説だとこのタイムパラドックスのようなものなのかもしれません。

パラレルワールド

パラレルワールドの存在そのものが未だに確認されていませんが、何らかの原因でもう一つの世界の自分を目撃してしまったというのが、この説です。

目撃の後に分身が消えてしまうのも異次元の歪みが直ったから。

ドッペルゲンガー目撃後に死んでしまうのは、異次元の歪みに触れてしまい因果律が乱れてしまったからというものです。

幽体離脱

体から魂の一部が離れてしまい、それがすごくリアルな姿で現れたという説です。

エミリー・サジェの例をドッペルゲンガー現象として扱うのならば、この幽体離脱説かパラレルワールド説が一番しっくりきますね。

ドッペルゲンガー現象のほとんどは臨死体験に近いものが多数存在しますので、心霊体験や臨死体験の一部として見られることもあります。

まとめ

ドッペルゲンガー現象についてみてきましたが、いかがでしたか?

医学の観点からの解明も進んでいますが、それでも説明がつかない例はたくさんあります。

一部の国でしか見られない現象なら、宗教的な考え方などが根底にあるのではないかとも考えられますが、時代問わず世界中にそういう話がありますので、ただの迷信ではなく確実に存在する現象なのでしょう。

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