ゲームやマンガのモチーフになることが多いギリシア神話。
登場する神々はなかなかに人間くさく親近感を覚えたり、ときには呆れたりすることもあります。
中でも,主神であるゼウスの恋愛遍歴は華麗の一言に尽きます。
いったいどのようなエピソードがあり、どんな理由でそうなったのでしょうか。
Contents
ギリシア神話のあらまし~天海地を支配する三兄弟~
ギリシア神話とはその名の通り、古代ギリシアから伝わる神々のお話です。
美の女神アフロディーテ、太陽の神アポロンなど、一般にも馴染みのある神々が多く登場し、神話の中でも高い知名度を誇ります。
ギリシア神話では「空」、「海」、「地下」それぞれの世界をある三兄弟が統治しています。
地下世界(冥府や地獄とも)は長男のハデスが、海は次男のポセイドンが、そして空は最高神である末弟のゼウスがそれぞれ支配しています。
なぜ一番年下のゼウスが最高神なのかと疑問に思うかもしれませんが、これには理由があります。
ゼウスたちの父親は、「産まれてくる自分の子に権力を奪われる」と予言を受けたため、自分の子を生まれた順にのみこんでしまいました。
その中で末子のゼウスのみ、母親の機転で難を逃れた、というエピソードがあります。
このため、生まれてきた順序と外の世界に出てきた順序が逆になってしまったのです。
昔の日本では、双子のうち後から生まれた方を先に宿ったとして年上にしていましたが、それと少し似ていますね。
あまりにも女好き?ゼウスの恋愛エピソード
さて、そんな最高神のゼウスですが、恋多き男としてあまりにも有名です。
ギリシアでの恋愛は同性であろうが異性であろうがあまり問題ではなかったため、ゼウスのエピソードにも少年愛から多彩な女性遍歴までさまざまなエピソードがあります。
例えば白鳥座の「白鳥」は、ゼウスが嫉妬深い妻の目をかいくぐり、アイトーリアの王の娘「レダ」のもとへ通う時の姿とされています。
白鳥の他にも、黄金の雨や白い牝牛など、無機物から動物まで様々に姿を変えて美女やニンフと恋愛を繰り広げています。
正妻であり恐妻・ヘラと結ばれるまでの結婚生活
嫉妬深いと言われる正妻のヘラと結婚するまでに、ゼウスは結婚と離婚を繰り返しており、バツ2だったりします。
しかも、ヘラに求婚した際には、他の女神と結婚している状態。
そんな状況でヘラを口説いたゼウスですが、さすがにヘラは「結婚していない状態ではそういった関係にはならない!」と突っぱねます。
そのため、ゼウスは2番目の妻と別れてヘラと結婚するのです。
ゼウスの恋愛エピソードでは、正妻のヘラが常に夫を監視し、愛人とわかると獣に姿を変えて襲い掛かるなど苛烈な罰を与えていきます。
ヘラは嫉妬深い神さまとよく言われてますが、本人からすれば、結婚しているのに自分を口説いてきた夫の恋愛観はイマイチ信用できなかったのでしょうね。
ヘラについては、こちらの記事でも解説しています。
ある意味被害者?こうしてゼウスは恋多き男となった
さて、好色なエピソードには事欠かないゼウスですが、それには理由があります。
ギリシアには、かつてさまざまな部族や国家が存在していました。
それぞれの長は自分たちの正統性を相手に示すため、「自分はゼウスの血を引く」と主張したそうです。
そのため、あちこちにゼウスの子が存在する理由を作る必要がありました。
結果、「ゼウスは恋多き男で、ほうぼうに愛人を作っては子を産ませた」というエピソードがたくさんできてしまったのです。
こうしてみると、主神のゼウスも案外人間の政治的駆け引きによって無理やり結婚させられた犠牲者にも見えますね…。
まとめ
人間臭い神々の性格こそ、ギリシア神話の魅力です。
恋愛面はもちろん、神々は我々のように悩んだり怒ったり、ときには冒険したりとなかなかに人生を謳歌しています。
興味がわいた方はぜひ、本やインターネットでギリシア神話を調べてみてはいかがでしょうか。
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