日本を代表するロールプレイングゲームの「ファイナルファンタジー」は、世界中のありとあらゆる神話伝承を内部に取り込んでいます。
もちろんクトゥルフ神話も例外ではないのですが、その関わり方はちょっと変則的な形になっています。
ここでは「ファイナルファンタジー」に登場するクトゥルフの邪神たちの数々をご紹介します!
最初に登場した邪神は…
クトゥルフ神話に関連するキャラクターが最初に登場したのは、FFシリーズ1作目である「ファイナルファンタジーⅠ」……なのかも知れません。
このような歯切れの悪い言い方になってしまうのは、ひょっとすると無関係かも知れないからです。
そんなキャラクター第1号は、「ヒドラ」です。
単に「ヒドラ」を書くと、「ギリシア神話に登場した、ヘラクレスに退治されたモンスターじゃないか」となってしまいます。
ですが、クトゥルフ神話にもダゴンの妻として「ハイドラ」が登場しているのです。

「ハイドラ」は「ヒドラ」の英語読みになります。
ちなみに「ヒドラ」は、別読みのモンスター「ヒュドラ」として「ファイナルファンタジーⅢ」に登場します。
こちらはギリシア神話の神である「エキドナ」の色違いバージョンなので、ギリシア神話出典だと考えた方がいいでしょう。
しかし、「ファイナルファンタジーⅤ」になるとそのものずばり「ハイドラ」が登場します。
こちらは青魔法「レベル4グラビガ」のラーニング元となる、ある意味重要なモンスターです。
わざわざ読みを「ハイドラ」に変えたあたり、クトゥルフを意識するようになった結果だといえるかも知れません。
クトゥルフ神話で語られるハイドラの夫「ダゴン」とは?
ハイドラが登場したのなら、クトゥルフでセットとして語られる夫・ダゴンが登場してもおかしくはありません。
しかもダゴンは魚神、あるいは巨大な半魚人の姿で描写されています。

モンスターとして造形しやすい外観を持っているのです。
そんなダゴンですが、「ファイナルファンタジーXIII」の13章になってようやく登場します。
設定上は、過去の作品にも数多く登場した半魚人モンスター「サハギン」の上位バージョンに位置づけられています。
つまり、予想通り半魚人になっていますね。
ただし、一般的な半魚人よりもかなり魚に近いデザインとなっています。
変に直立させると、トンベリのようなユーモラスな癒やしキャラになってしまうため、こちらのデザインでよかったのだろうと思います。
なお、ダゴンも元々はパレスチナの神であり、神様時代はちゃんとした人間と同じ外見でした。
そのため、半魚人になった時点でクトゥルフのダゴン由来だと断定できます。
ちなみに妻であるハイドラは、「ファイナルファンタジーⅤ」以後は「XI」と「XIV」に登場します。
残念なことに、夫婦揃っての登場というのは現在まで実現されていません。
いわゆる正統派のファイナルファンタジーでは、ダゴンとハイドラの夫婦が出るぐらいですが、外伝作品にはクトゥルフ由来のキャラクターが数多く登場します。
外伝作品に多い邪神たち

「光の4戦士-ファイナルファンタジー外伝」には魔道書ネクロノミコンが登場します。
また、「ファイナルファンタジー零式」には、クトゥルフのストーリーに登場する地名をもじったと思われるものが出てきます。
そして「ファイナルファンタジータクティクス」には、「ン・カイの腕輪」というアイテムが登場します。
「ン・カイ」は旧支配者「ツァトゥグァ」の居所とされている土地ですね。
このアイテムは非常に強力で、しかも主人公ラムザに装着させるものとなっているので、クトゥルフファンは「そうだよ、そうでなくちゃ」と思うかも知れません。
なお、このアイテムはゲーム全体でも屈指の難敵・エルムドア侯爵のおつきの二人のアサシン・セリアとレディのチャームを無効化する効果があります。
ただし、侯爵から「源氏の籠手」を盗める確率をアップさせてはくれないようです。
まとめ
今回は「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する、クトゥルフ神話由来のキャラクターについて解説しました。
元々相性のよい両者ですから、今後も多くの邪神たちをベースにしたキャラクターが、ゲームに登場するものと期待できます。
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